日本ではブラック企業として名を馳せている「すき家」ですが、中国にも進出しており、そこそこホワイト、つまり安心安全な日本食の店として知られています。私はいつも「すき家」ではカレーを注文します。邪道ですが、外で食べられる安くて安心のカレーというと、なかなかちょうど良いものがなく、すき家に来ると「そうだ、最近外でカレー食べてないや。」ということを思い出し、カレーを注文してしまうのです。このカレーがほど良く安っぽい味で、スキー場のカレーを思い出したりと、ノスタルジックに浸ることも可能であったりの一石二鳥なのです。カレーなどと言うものは、家で作る方が断然美味しいのですが、無性に他人の作ったカレーが食べたくなる時がありますよね。日本でしたらどこのお宅に伺っても美味しいカレーにありつけてハッピーとなるのですが、ここは中国。ガイジンの作るカレーは得てして非常にマズく、ただ野菜とルーを鍋に入れて煮込むだけの料理が、どうやったらこんなことになるのかと首を傾げたくなることしばしばです。顕著な例を挙げますと、アメリカ人の作ったカレーはシャビシャビでした。イケアの大き目の鍋に、恐らくルーを三個ほど入れただけ。どういう料理センスでもってこれで完成と確信したのでしょうか、未だに疑問です。自慢気に「ジャスコで買った日本のカレールーを使ったから美味しいよ!」と言われ、ハウス食品も泣いてるよ、と思いながら米粒の間をすり抜けていく、ほぼ透明に近い液体を眺めていました。中国人のカレーは味はまあまあでした。恐らく、カレールーの裏に書いてあるレシピ通りに作ったので、さほど外すこともなく、受け入れられる味でした。が、余計な一工夫をしてジャガイモをたっぷり入れてしまったせいで、煮崩れたジャガイモがスープを完全に吸い取ってしまい、カレーと言うよりは煮物、カレー味の煮物でした。中国人がよく作ってくれる、牛肉とジャガイモの煮物のカレー味版と言ったところでしょうか。それが、ゴテっと白米の上に乗っているのですから、食べにくいと言うか口の中の水分が吸い取られていく感じを味わうことができました。いずれにしろ自信満々で出されたので、頑張って食したのですが、もしかすると二ホン人って、知らず知らずの内に、インド人よりもカレーに対する要求が高くなってしまっているのではないかと不安になりました。よくよく考えると私は吉野家ではチキンボウルばかり注文します。これもまた邪道ですね。飲食関連では邪道、仕事では王道を歩みたいと思っている「P」がお届けしました。でわ。