欧米人の家でお食事しました。以前にも言及しましたが、得てして彼女たちは一般的な二ホン人女性ほど料理が上手ではありません。お呼ばれされた時の期待度で言えば、中国人のやや上と言ったところです。それでも、明るく陽気で会話の上手な彼女たちとの食事は楽しいものなので、いそいそと出かけて行きます。料理は私の期待と同レベルに美味しかったですが、それ以上に感動したのはフルーツです。 それはまるでキャバクラで女の子の要求に応じてオジ様が頼むような、とは言え、行ったこともないのでイメージに過ぎないのですが、とにかくそういうカットのされ方をしていました。こんなフルーツの提供のされ方、今までの人生で一度もありませんでした。一度も?あれ?繊細でデリケートで、お招きしたお客様には何でも美しく盛り付けて提供したい日本ではどうだったのでしょうか?そうなんです。リンゴはリンゴ、キウイはキウイ、美しくカットされてフォークと一緒に出されるスイカはもちろん、ほとんどの場合それはそれのみ、一種類のフルーツのみで提供されるんです。日本ではフルーツがこれほど豊富ではないですから。そういう訳で、フルーツ盛り合わせを見た時、豪遊経験の乏しい私は、とっさにキャバクラというよく分からないけれど何となく贅沢そうな場面を連想してしまったのです。さて、冒頭に欧米人と書きましたが、彼女たちはオーストラリアンで、南国フルーツを華やかにカットするのがとても似合う民族なのです。恐らく、野生の鳥を操ることや海の波と戯れること、イヤなことをすぐに忘れて前に進むことや、時間に寛容であること等、羨ましいくらいにオーストラリアンなんでしょうね。その国のフルーツが国民性を表わすのであれば、私はせいぜい、ミカン箱からミカンを取り出して食べる地味な二ホン人として細々と生きていきます。